2020年3月に「MacBook Air」の新モデルが登場しました。MacBookの中でも、最も売れている製品なので、この機に購入を考えている人も少なくないでしょう。 しかしMacBookは、ほぼ同じデザインモデルがいくつかあるので、知識がないとどれを買うべきか迷ってしまいます。本記事では、2020年春時点のMacBookの選び方を紹介します。自分にマッチしてるモデルを賢く選んでください。
MacBookのモデルは大きく分けて3種類
MacBookの基本的なモデルは2つで、「MacBook Air」と「MacBook Pro」になります。上位モデルのMacBook Proには「16インチ」と「13インチ」の2種類のサイズがあります。この2つは用途も異なってくるので、本記事では別物として考えていきます。 以下「MacBook Air」「MacBook Pro 13インチ」「MacBook Pro 16インチ」の3つに分けて、その特徴や仕様、価格などを大まかに理解しておきましょう。
MacBook Air
新モデルが登場した、MacBookの最廉価モデルです。ディスプレイは13インチで、省電力タイプのCPUを採用。スペックよりも価格重視で、かつ持ち歩きにも向く製品です。 4Kビデオの編集やヘビーなゲームなどは、上位機を選んだほうがよいでしょう。また、写真編集は十分可能ですが、ディスプレイの明るさと色の再現性が劣っているので、やはり上位機をおすすめします。新しいキーボードを採用しており、打ちやすくなっています。
MacBook Pro 13インチ
13インチディスプレイを搭載するコンパクトなMacBook Proです。持ち歩きも十分可能で、性能が高いのでさまざまな用途に向きます。MacBook Proシリーズは、キーボードの上に細長い液晶「TouchBar」を備え、さまざまなショートカットなどに利用できます。 MacBook Airより高性能なCPUを搭載しますが、モデルが少し古いので、ストレージの容量などが価格の割に物足りません。キーボードも改良前の古いタイプになります。
MacBook Pro 16インチ
大画面のMacBook Proで、Windowsの「A4ノート」と近い位置づけだと考えるのが正解です。価格がやや高いのですが、高性能なので妥当なところです。 重量は2kgとこのサイズにしては軽量ですが、日常的に持ち歩くには重く感じられるでしょう。机の上に据え置いて、じっくり使いたい用途に向きます。いわゆるメインマシン向きで、持ち歩き用のサブマシンとしてMacBook Airと組み合わせる人もいます。キーボードは打ちやすい新型となっています。
MacBookの用途に応じた買い方
それでは、用途に応じたMacBookの買い方を紹介していきます。
ライトユース
ウェブの閲覧や動画視聴、たまに表計算やワープロを使うような利用方法には、安価なMacBook Airの最廉価モデルで十分でしょう。ただこうした用途なら、iPadでも事足りる可能性があります。文章を入力する機会が多いのであれば、iPadよりMacBook Airが向きます。 なお、最廉価モデルのCPUはCore i3とやや心許ないので、1万円のカスタマイズでCore i5を選択するのもよいでしょう。
持ち歩きするメインマシン
さまざまな用途に利用するメインマシンとして購入したい人は、ある程度の性能やストレージ(SSD)の容量が求められます。MacBook Airなら上位モデル、もしくはMacBook Proの13インチモデルをおすすめします。 重量はMacBook Airの1.29kgに対して、MacBook Pro(13インチ) は1.37kgと実はさほど変わりません。
下が16インチモデルで、上の2台が13インチ。大きさの差がよくわかるだろう
机上で使うメインマシン
持ち歩かないなら、MacBook Proの16インチモデルをおすすめします。画面が広くて作業性が高く、また入力性も上々です。ただし、予算オーバーという人は、MacBook Proの13インチモデルに外付けのディスプレイを接続してもよいでしょう。
MacBook Pro 13インチとMacBook Airの違い
最大の違いは、MacBook Airはよりモバイル向きで格安に位置づけられていることです。CPUは省電力タイプなので、性能は一段落ちます。ただ現時点では、MacBook Airに新モデルが登場したタイミングなのに対し、MacBook Pro(13インチ)はモデルがやや古くなっているため、両者の性能の差が縮まっています。 上位モデルのMacBook Proは、キーボードの上にTouchBarを搭載し、操作性がよくなっています。またMacBook Airは、新しいキーボードを採用しています。ストロークがやや深く改良されて打ちやすくなっているのです。また、キーの配列も違います。
左のMacBook Proはキーボードの上部にTouchBarを備える MacBook Airはキー配列も変わり、矢印キーが逆T字になっている。キーボードの設計も新しい 本体は一見同じように見えますが、MacBook Airのほうが手前部分が薄く、カバンへの収まりがよくなっています。 またMacBook Proは、上位モデル2機種でUSB-C端子が4つになります。下位の2モデルとMacBook Airは、USB-C端子が2つしかありません。
MacBook Air(上)は手前部分が薄くなっている
MacBook AirとMacBook Pro(13インチ)は、コネクターの数が少ない
MacBook AirとMacBook Proはどちらを選ぶべきか
実は新しいMacBook Airが登場するまで、筆者は「MacBook Airを買うならMacBook Pro(13インチ)の下位モデルのほうがおすすめだ」と書いていました。 しかし、MacBook Airの新モデルが登場して立場がやや逆転しています。持ち歩く機会が多いなら、MacBook Airを選ぶのがおすすめです。多少ですが軽いのと、省電力性が高いためACアダプターも小さくなります。ファンレス構造なので音も静かに利用できます。もちろん、キーボードが打ちやすいのも嬉しいところです。 持ち歩く機会が少なく、高性能なモデルが欲しいなら、MacBook Proを推奨します。ただし、MacBook Proの13インチモデルは、遠くない将来モデルチェンジすることが予想されます。このモデルのみ、キーボードの設計が古いためです。しばらく様子を見てもいいでしょう。 もしくは、モデルチェンジを承知で購入しても悪くはありません。ただその際には、高速な上位モデルをおすすめします。下位モデルでは、MacBook Airのほうが妥当だと感じられることもあるはずです。 MacBook Proの上から2番目のモデルは19万8800円ですが、ストレージは256GBしかありません。MacBook Airの上位モデルは13万4800円で512GBなのです。タイミング的に、13インチのMacBook Proは買いづらいのです。
ACアダプターは、上からMacBook Air、MacBook Proの13インチ、同16インチ。高性能なほどACアダプターも大きくなる ただし、違いは性能だけではありません。MacBook Proは500ニトの明るいディスプレイを採用し、色域も広くなります。対して、MacBook Airのディスプレイは明るさは非公表で、やや暗くなります。色域も広くありません。 とはいえ、価値の差をすべての人が感じるとは限りません。逆に、ライトユースだとしても、写真やビデオが美しいと思う人もいるでしょう。こればかりは、自己判断をしていただくしかありません。
どちらが明るく美しいかわかるだろうか? 右のMacBook Pro(13インチ)のほうがよく見ると明るい
まとめ:今おすすめのモデルは?
いま買うなら、おすすめはMacBook Airの上位モデルです。もしくは、下位モデルのCPUをCore i5にカスタマイズするのがベストです。ヘビーに使うことがわかっていて、据え置くなら16インチモデルも素晴らしい選択です。 一昔前に比べると、MacBookは大変買いやすくなりました。特にMacBook Airは、本体の質感の割にはとても求めやすくなっており、学生さんにもおすすめです。 MacBook Air - Apple(日本)13インチMacBook Pro - Apple(日本)16インチMacBook Pro - Apple(日本) なお本記事に関連して、動画でもMacBookの選び方を紹介しています。是非ご覧ください。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部