愛用中のiPhoneをうっかり落としてディスプレイに“ひび”が…。画面を割ってしまうリスクは常につきまといます。割れたまま使い続ける人もいますが、やはり印象は良くないですし、怪我する恐れもあるので、早めに修理したいところです。 iPhoneの「画面割れ」修理は、直営店のAppleストア(来店/配送)や正規サービスプロバイダ、購入したキャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の一部店舗ほか、非正規の修理店でおこなえますが、どこに出すのがいいのか迷ってしまいます。 本記事では、iPhoneの画面割れ修理について、料金や修理にかかる期間、保証、事前準備としてデータのバックアップなどについて解説します。
iPhoneの画面が割れたらどこで修理できる?
iPhoneのディスプレイを修理できる場所は、「Apple Store」「Appleの正規サービスプロバイダ」「携帯キャリアの直営ショップ」「非正規の修理業者」があります。できるだけ安くて早いところに依頼したいものですが、それぞれメリット・デメリットがあります。さっそく一覧表にまとめてみました。
Apple Store(アップルストア)
iPhoneの修理は、直営店のApple Store(アップルストア)で受け付けています。修理を依頼する方法は「持ち込み」と「配送」の2パターンがあります。
Appleストアに持ち込んで修理する
Image:Appleストア銀座 Apple Storeにはサポートスタッフが常駐しており、操作の疑問や故障の相談を受け付けています。iPhoneを持ち込むと、修理が可能な場合は即日対応してくれます。ただしApple Storeへ行く時は、あらかじめサポートサービスの「Genius Bar」を予約しておきましょう。 予約はアプリ「Appleサポート」からおこなうとスムーズです。予約なしで駆け込んでも数時間待たされたり、その日の対応を断られる可能性があるので注意してください。
配送修理を依頼する
画面破損したiPhoneを、自宅から直接Appleリペアセンターへ送る方法です。近くにApple StoreやApple正規サービスプロバイダなどの店舗がない人は重宝するサービスです。
配送修理には7〜10営業日以上かかります。具体的な期間も修理が完了するまではわからず、修理完了後に連絡が来るシステムです。また代替機の貸し出しもおこなっていないため、予備のスマホを持っていないと不便でしょう。 Appleサポートのアプリからでは配送修理の申し込みページを表示させるのが困難なため、以下のブラウザページから該当の製品を選び、「配送修理」へ進んでください。 Appleリペアセンターへの配送 なお、Apple Care+サービスに加入していると、故障したiPhoneの代わりにリフレッシュ品(新品または新品同様)を自宅まで配送してくれる「iPhone エクスプレス交換サービス」が1万1800円で受けられます。 故障したiPhoneは、リフレッシュ品と引き換えに配送業者へその場で渡す仕組みです。修理を待たずに新しいiPhoneを使えるのが嬉しいポイントです。
Apple正規サービスプロバイダ
Appleストアは全国に9店舗しかありませんが、それ以外にもAppleが認可した正規サービスプロバイダから修理が受けられます。正規サービスプロバイダとは、Apple社から認定された全国の家電量販店やケータイショップで、Apple製品の修理が可能です。 修理費用は店舗によって若干異なりますが、Apple Care+ for iPhoneの保証サービス(後述)を受け付けています。
Appleサポートアプリでは、現在地情報から、近いAppleストアや正規サービスプロバイダをリスト(左)や地図(右)で表示してくれる 全国のApple正規サービスプロバイダはAppleサポートアプリ、または以下の公式サイトで探せます。自宅から近い場所へ持ち込むとよいでしょう。Appleストアと同じように予約が可能です。 Apple - 場所を検索
キャリアショップ(au・ソフトバンク・ ドコモ)
au・ソフトバンク・ドコモの3大キャリアで回線契約をしているiPhoneなら、それぞれの一部直営ショップで修理ができます。各社の独自保証サービスに加入していれば、AppleCare for iPhone+とほぼ同等の料金で画面修理が可能です。 預かり修理となった場合でも、代替機が貸してもらえますが、代替機種の選択はできず、在庫によってはiPhone以外の機種を渡される可能性もあります。
au
Image:au SHINJUKU 2019年9月現在、来店修理が可能なau店舗は以下6店舗です。
au SHINJUKU(東京都新宿区) au SENDAI(宮城県仙台市) au NAGOYA(愛知県名古屋市) au みなとみらい(神奈川県横浜市) au OSAKA(大阪府大阪市) au FUKUOKA(福岡県福岡市)
修理来店予約をしてから行くと、店頭での待ち時間が短くて済みます。以下より予約申し込みをおこなってください。 iPhone・iPad 店頭修理サービス | au 店頭で対応できる場合は即日、預かり修理になる場合は約1週間かかります。 またauでは、auショップ全店でiPhoneを修理する前の初期診断や、Apple正規サービスプロバイダ(後述)への予約案内などのサポートを実施しています。
ソフトバンク
2019年9月現在、来店修理が可能なソフトバンク店舗は以下です。
ソフトバンク表参道(東京都港区) ソフトバンク銀座(東京都中央区) ソフトバンク名古屋(愛知県名古屋市) ソフトバンクグランフロント大阪(大阪府大阪市)
店頭での待ち時間を軽減させるために、事前予約をしておきましょう。予約は以下からおこなってください。 iPhone/iPad 店頭修理サービス | ソフトバンク 店頭で対応できる場合は即日、預かり修理になる場合は約1週間かかります。
また、保証内容や機種など個々の状況に合わせた最適な修理手続きを教えてくれるシミュレーションサービスがあります。 iPhone/iPad 修理時の最適な手続きをシミュレーションする | ソフトバンク
NTTドコモ
Image:サカエチカ 2019年9月現在、来店修理が可能なNTTドコモ店舗は以下です。
ドコモショップ丸の内店(東京都千代田区) ドコモスマートフォンラウンジ名古屋(愛知県名古屋市)
来店当日の待ち時間を短くするためにも、事前予約をしておきましょう。 iPhoneリペアコーナー | iPhone | NTTドコモ 修理期間は、本体交換を選択すれば店頭対応(預かりになる場合もある)、ディスプレイ修理は預かり修理となり、約4〜7日間がかかります。
非正規の修理店
Appleストアや正規サービスプロバイダ、大手キャリア以外にも、iPhoneの修理・交換を受け付けているお店があります。最短数十分で修理でき、費用も安く済む場合があるのは大きなメリットです。店舗数も多いため、費用を抑えたい人やすぐに修理をしてほしい人には魅力的でしょう。 ただし、非正規店で一度でも修理した場合(自分で修理した場合も同様)、正規のサポートは以後受けられなくなる可能性もあります。 Appleによると、修理を受け付けている大手キャリアや前述のGenius Barで表示されている店舗以外は「非正規店」になるとのこと。「総務省登録修理業者」などの認定を受けてiPhoneの修理をしているお店もありますが、Appleから見ると非正規店扱いです。 また非正規店では、交換する部品の価格を抑えるために純正品を使わない傾向にあります。そうした修理をおこなったiPhoneを、あとでApple Storeに持ち込んでも保証対象外として扱われ、修理費用が割高になったりiPhone自体の買い替えを勧められたりすることもあります。iPhone 11シリーズでは、非正規のディスプレイを使っていると警告が表示される仕様も採用されています。
iPhoneの画面割れ修理にかかる料金は?
修理にかかる料金の体系は、「Appleストア・正規サービスプロバイダ・キャリアショップ」と「非正規店」の2つに分けて整理できます。またAppleや携帯キャリアでは、修理料金が割引される保証プログラムや修理代金を後で補償してくれるサービスが用意されているので、それらへの加入の有無による料金の違いも解説します。
Appleストア・正規サービスプロバイダを利用する場合
iPhone購入時にアップルの保証プログラム「AppleCare+ for iPhone」に加入しているか否かで、修理代金が大きく異なります。また、修理内容が「画面のみ」なのか「画面およびその他修理」なのかでも結構違ってきます。
AppleCare+ for iPhoneに「加入していない」場合
保証プログラムに加入していない場合の修理代金は以下の通りです。Apple正規サービスプロバイダは若干料金が異なる店舗もあるようですが、ビッグカメラやカメラのキタムラなどはAppleストアと同じ値段です。auやソフトバンク店頭でも同一料金で修理できます。
AppleCare+ for iPhoneに「加入している」場合
iPhone購入時にAppleの保証プログラム「AppleCare+ for iPhone」に加入していると、最大2回まで修理にかかる費用は安く済みます。 なお、自分のiPhoneにAppleCare+ for iPhoneが適用されているかどうかは、以下のページまたはAppleサポートアプリで端末のシリアルナンバーを入力して確認できます。 保証状況とサービス期間を確認する - Apple サポート
キャリアの補償サービスを利用する場合
auやドコモ、ソフトバンクの各キャリアでも、iPhoneの修理に使える各社オリジナルの補償サービスが用意されています。
au「auスマートパス」または「AppleCare+ & au端末サポート」
auスマートパスによる修理代金サポート auでは、iPhone購入時に月額372円(税別)の「auスマートパス」へ加入していると、iPhoneの修理をした際に最大1万円分の修理代金が返金されます(2回まで)。Apple Care+ for iPhoneに加入していない状態で画面の修理をすると、たとえばiPhone 8なら通常1万6400円かかりますが、1万円分の返金があれば実質6400円で画面修理が可能というわけです。 auスマートパス auスマートパスよりランクが上の「auスマートパスプレミアム」会員であれば、会員費用499円(税別)に加えて、月額料金(端末によって月額変動)を支払う「故障紛失サポート with AppleCare Services」が用意されています。 通常2年間有効のAppleCare+ for iPhoneが4年間利用でき、最大1万1800円分のau WALLETポイントが4年間で4回まで使えるサービスです。 auスマートパスプレミアム
ソフトバンク「あんしん保証パック with AppleCare Services」
ソフトバンク:あんしん保証パック with AppleCare Services ソフトバンクでは、「あんしん保証パック with AppleCare Services」が用意されています。 iPhone XSシリーズとiPhone Xで月1190円、その他のiPhoneで月890円を支払えば、AppleCare+ for iPhone同等の保証に加えて、ソフトバンクオリジナルのサポートが受けられます。なお「あんしん保証パック(i)プラス」は現在、新規で受付はおこなっていません。 あんしん保証パック with AppleCare Services
ドコモ「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」
NTTドコモ:ケータイ補償サービス for iPhone & iPad NTTドコモでは「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」が用意されています(2019年5月31日で申込終了)。iPhone購入後14日以内にこの補償サービスに加入していると、1年に2回まで破損や全損による交換などが1万1000円(iPhone SE、6、6 Plus、5s、5cは7500円)でおこなえます。 ただし画面割れを修理する場合は、Apple Care+ for iPhoneなどのほうが安価。サービス料はiPhone 6s以降の機種が月750円、iPhone SE以前の機種が月600円、iPhone 5cが月550円です。 ケータイ補償サービス for iPhone & iPad
非正規の修理店を利用する場合
非正規の修理店は店舗によって異なりますが、画面割れであれば数千円~2万円前後で対応してくれる店舗が多いようです。 他に水没やバッテリー交換など故障部位によって細かく料金が設定されているので、必要に応じて見積もりをお願いしてみましょう。
修理に出す前にデータのバックアップをとる
スマホを落としたりぶつけたりすると、ディスプレイが割れるだけでなく、内部の部品やボタンに異常が出る可能性があります。画面が割れたままで使えていても、いつの間にかディスプレイをタッチしても反応しなくなったり、データやアプリの一部に不具合が出たりする恐れもあるので、損傷が進む前にバックアップを早めに取得しておきたいところです。
iCloudを利用してiPhoneのバックアップを取得する画面 正規店へ修理に持ち込む際は、部品交換時にiPhoneを初期化するため、可能なら事前にバックアップをとりましょう。バックアップは、iCloudまたはiTunesで作成できます。 逆に、非正規店では初期化をしない店舗がほとんどです。そのぶん修理時間が短くて済みますし、破損でiPhoneが起動しなくなってしまってバックアップがとれないような時は助かります。しかし、万が一データが消えてしまっても、保証はされない店舗が多くなっています。 なお、単純な画面割れだと思って持ち込んでも、精査の結果、端末自体の交換になる可能性もあります。その際も、データのバックアップがとれていれば、交換した新しいiPhoneにバックアップしたデータを復元できます。バックアップと復元の手順は下記の記事を参照してください。
まとめ
Appleストアや正規サービスプロバイダなどは、保証サービスに未加入だと非正規店に比べて多少割高で、修理に時間がかかる傾向にあります。非正規店で修理をしても、ふだん使用しているぶんには純正品かどうかを意識することはあまりないかもしれません。しかし、Appleのサポートが受けられなくなる可能性があるので、今後も同じ機種を長く使うつもりであれば、よく検討してから利用しましょう。 自分の予算や使い方と相談して、最適な場所を選んでください。 構成・文:藤原達矢 編集:アプリオ編集部