新しいiPadが登場しました。今回リリースされたのはそのままズバリ「iPad」という製品名で、スタンダードなiPadの7世代目モデルとなります。ディスプレイサイズが10.2インチのため、本記事ではiPad(10.2インチ)と表記します。 最大の魅力はその価格(税別)で、以下のようになっています。 新モデルのiPadとしてはとても手ごろで、アップルがよりiPadの普及に力を入れようとしていることがわかります。もちろん、安価だから妥協すべき部分もあるので、詳しくレビューしていきます。

10.2インチと大きくなったディスプレイ

前モデルのiPad(第6世代)と比べると、ディスプレイが9.7インチから10.2インチへと少し大きくなりました。Androidタブレットの10インチクラスのモデルに比べると、画面縦横比の違いにより正方形に近くなります。つまり、インチ数よりも画面が広く使えるのが、iPadの特徴の一つです。 手にすると「少し大きいな」と感じるかもしれません。しかし重量はあまり変わらないので、持ち歩きの際の負担感は変わりません。大きな画面で快適に作業ができるのが特徴の一つです。

ひと回り大きくなったディスプレイとボディ

背面のデザインは旧モデルとほぼ同様。100パーセント再生アルミニウムで作られているので環境に優しい

Smart KeyboardとApple Pencilに対応

最大のトピックが、Smart KeyboardとApple Pencilへ対応したことでしょう。本体にはSmart Connectorを搭載し、Smart Keyboardが使えるようになりました。もちろん、従来からiPad Proなどの上位モデルでは利用できましたが、最廉価のiPadでも利用できるようになったわけです。 Bluetoothの外付けキーボードに比べると、充電やペアリングが不要で、いつでもサッと使えます。ただし、価格が1万7800円とかなり高いので、予算が足りない場合はBluetooth接続の市販キーボードを使ってもよいでしょう。 Apple Pencilは第1世代が利用できます。市販のスタイラスよりもペン先が細くて描きやすく、イラストにも向くのでおすすめです。こちらは1万800円です。

SmartConnectorを搭載する

SmartKeyboardが快適に利用できる。SmartKeyboardは、iPad Air(第3世代)や10.5インチiPad Proと共通の製品を使う

このようなスタイルでカバーになるタイプだ

Apple Pencilは、Lightningコネクターで充電する第1世代に対応

書き味は文句なし

iPad Proとは性能の差がかなり大きい

最上位モデルのiPad Proと比べると、かなり差があります。デザインはさておいて、最も違うのが性能です。iPad(10.2インチ)は、A10という世代の古いチップを採用しています。iPad Pro(11インチ)はA12Xで、ベンチマークの差もかなりあります。また、コンパクトなiPad miniでもA12チップなので、こちらも差が少なくありません。 とはいえ、A10自体が高性能なので、普通の使い方で遅く感じることはまずないでしょう。ARも普通に楽しめました。気になるのは2年、3年と使い込んだときの状況で、おそらく遅く感じるでしょう。 もう一つ割り切らなければならない点が、フルラミネーションディスプレイではないことで、ガラス面と液晶の間に隙間があります。さほど気になることはないと思いますが、Apple Pencilで手書きをする際にはギャップを感じます。また写真を見ても、画面が白っぽく感じることがあります。 これらの点も、価格を考えれば妥協できるはずです。

iPad ProはUSB-C端子による接続だが、iPad(10.2インチ)は以前同様のLightningだ

ディスプレイはサイズだけでなく、明るさも違う

フルラミネーションディスプレイではないので、斜めから見ると左のiPad(10.2インチ)は白っぽい

写真ではわかりにくいが、ディスプレイとガラスの間にギャップがある

ベンチマークの値は2倍以上違う

カメラもiPad(10.2インチ)は800万画素だ。iPad Proは1200万画素になる

Smart Keyboardの作りも違っている

付属品は充電器とLightningケーブル

iPadOSで進化:注目の便利機能をチェック

この秋から、iPadのOSがアップデートされiPadOSとなりました。iPadの設定画面で調べても「iOS 13」と表示されるだけですが、iPhoneとは大きく使い勝手が変わっています。ここでは、代表的な機能を動画を交えて紹介します。 iPadOSとは?──iPadの作業が捗る10個の新機能を解説

ホーム画面が変わった

ホーム画面に通知が表示されるようになりました。もちろん、非表示にもできます。さらに、アイコンが小さくなり、表示される数が増えています。

マルチウィンドウで使う

マルチウインドウに対応した機能が以前より使いやすくなりました。Slide Overを利用すると、画面の端に小さく縦長なウィンドウを表示できます。これで、2つのアプリを同時に利用できるわけです。さらに、開いているウィンドウをすべて表示して切り替えることもできます。 Split Viewでは画面を分割してアプリを開き、同時利用できます。ウェブの写真をメモに貼るなど連携作業もできます。また、このような連携作業は、Slide Overで表示されている画面でも利用可能です。

Apple Pencilも便利に使える

Apple Pencilのツールパレットは、ペンなどの表示がかわいらしく変わりました。また、ツールパレットの位置も好きな場所に動かせるので、ノートをとったり絵を描いたりしているときに邪魔にならずに利用できます。

パレットのイラストがかわいらしく変わり、位置も移動できる Apple Pencilでスクリーンショットが撮れます。画面の右下から真ん中に向けて線を引くように操作すると撮影可能です。さらに、フルページを選ぶと長いブラウザの画面なども記録できます。

まとめ

iPadの操作性は、OSのアップデートで大きく向上しています。パソコン代わりに十分使える——と思う人もどんどん増えてくるはずです。入門用としては、iPad(10.2インチ)もとてもおすすめできます。 丁寧にイラストなどを描きたい人は、画面のギャップが気になるので、iPad AirかiPad Proがおすすめです。また、動画編集やヘビーなゲームを中心に楽しみたい人も、上位モデルのほうが性能面で安心して長く使えるでしょう。 iPad(第7世代)のレビューを下記動画でもまとめています。ぜひご覧ください。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部