Googleが検索エンジンの王者となって久しい。1998年に誕生した数名の組織は、検索連動型広告で莫大な利益を手に入れるとともに、Gmailを始めとする各種オンラインサービスを世に送り出し、ウェブの巨人となった。Googleのことを、ある人は"先生"と呼び、ある人は"神"と形容するまでになった。 だが、当初「形のない」アルゴリズムとソフトウェアの力で急激に成長したGoogleは、いつの間にか「形のある」ハードウェア製品を手がけるようになった。そこにはGoogleが開発したプロダクトもあれば、会社ごと買収したプロダクトもある。そして、それらハードウェア製品群の繋がりは、Googleとの接触機会を極大化させるという上位概念でしか認識できないくらいに多様化している(農業分野に進出する可能性も示唆されているくらいだ)。 そこで今、Googleが手がけているハードウェア製品の中で公にされているものの中から、特に野心的で夢のあるプロダクトを10個選んで紹介する。

四足歩行ロボット:Boston Dynamics

Boston DynamicsをGoogleが買収したのは、昨年の12月のこと。四足歩行ロボットを開発する軍事関連企業の買収とあって、Googleが軍需産業に手を伸ばすのかと不安視されたのも記憶に新しい。Googleはロボット開発企業を次々と買収しており、BD社で8社目の買収となった。 ロボット「WildCat」が独特の動きで疾走する光景に、感嘆するとともに恐怖を感じてしまう人も多いのでは。

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サーモスタット:Nest

Nestは、学習機能付き室温サーモスタットと煙報知機を開発しており、今年1月にGoogleに買収された。CEOだったトニー・ファデルはiPodの発案者。 Googleは、ネットワークカメラのDropcam買収を検討していると噂されており、スマートホーム事業への進出が本格化しそうだ。

グーグル、家庭用ハードウェアメーカー「Nest」を32億ドルで買収 | WIRED.jp

Project Ara

Project Araは、大小のモジュールを組み合わせるタイプの低価格スマートフォンを開発するプロジェクト。モジュール・ディベロッパーズ・キット(MDK)が公開されており、開発者が自由にモジュールを製造することができるようになる予定。価格は5,000円程度になる見通しで、LSIは東芝が独占供給すると報じられている。

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Project Tango

Project Tangoは、人間並の空間認識能力をモバイルデバイスに持たせるプロジェクト。カメラや深度センサー、モーションセンサー、高性能プロセッサを搭載したスマホ型のプロトタイプが開発済み。今後タブレット型のプロトタイプも製造される見通しだ。 リアルタイムで周囲の空間をマッピングすることができ、さまざまな分野での応用が期待される。

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Android Wear

Android Wearは、ハードウェアではなくAndroid OSのウェアラブルデバイス版。だが、Android Wearを搭載したスマートウォッチ2機種(Moto 360、LG G Watch)がすでに発表されており、Google製のスマートウォッチもGoogle I/O 2014で発表される見込み。 Appleもスマートウォッチを開発中だとされており、今年以降競争が激化していきそうだ。

Google、「Android Wear」を正式発表 ウェアラブルデバイス向けプラットフォーム

Google Glass

メガネ型ウェアラブルデバイスのGoogle Glassについては、かなり話題になっているので説明不要かもしれない。米国ではベータ版の一般販売が始まっており、日本で発売される可能性も浮上している。

メガネ型端末「Google Glass」でスカイダイビングを生中継、Googleの目指す未来とは 普及するか?Google Glassの可能性と克服すべき4つの課題

スマートコンタクトレンズ

Googleは、無線チップと血糖値センサーを搭載する医療用スマートコンタクトレンズを開発している。

Google、医療用スマートコンタクトレンズを開発

飛行風力タービン:Makani Power

Googleが2013年に買収したのが飛行風力タービン(AWT:Airborne Wind Turbine)を開発したMakani Power。再生可能エネルギー問題に取り組む。 風力タービンを載せたAWTは、自律型の試験飛行に成功しており、上空300m付近で回転飛行することで発電する。空飛ぶ風車というわけだ。

Google、“空飛ぶ風力発電機”のMakani Powerを買収 - ITmedia ニュース

Project Loon

Project Loonは、気球を利用して世界中で無線によるネット接続を可能とするプロジェクト。アンテナや太陽光発電パネルを搭載した直径15mの気球「Loon」を、成層圏内の高度20km付近を航行させ、地上のユーザーが3G回線以上の速度で通信できるようにする。

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自動運転カー

Googleが開発中の自動運転カーの新タイプが先日公開された。ハンドルなし、ペダルなし、あるのはボタンと座席とディスプレイのみという自動運転カーだ。

Google、ハンドルもペダルもない自動運転カーを公開 Google自動運転カーの衝撃、Uber CEO「全てのタクシードライバーが不要になる日が来る」