期待に応えられないFirefox

 3月29日に正式版がリリースされたFirefox 4。「Android標準ブラウザより 3 倍速い」という触れ込み通り実際に速かったのだが、高い期待とは裏腹に評価は低空飛行が続いていた。    実際に使ってみると、いくつか問題点がある。あまり使いやすいとは言えないインタフェース、速度のために犠牲になった描画精度、そしてメモリ不足による速度低下である。  特に、マルチタスクが大きなウリであるAndroid、しかもモバイル端末で使われるという環境下で、膨大なメモリを必要とするFirefoxの仕様は致命的で、使うほどに速度がみるみる落ちてくるというのは、最初から重たいブラウザを使うよりもストレスを感じてしまうだろう。  このあたりがAndroid版Firefoxの評価が低い理由だと思われる。

Firefox 5はどうなる?

 Firefox 5では、Firefox 4で好評だったPCのFirefoxとのリアルタイム連携(Firefox Sync)などの主要機能は引継ぎ、サイト側が行っているユーザー行動追跡を拒否するセキュリティ機能「Do Not Track」などの機能を新たに搭載する。リリースノートによると、他にも細かい改善が行われるようだ。  実際に、Android版Firefox 5のβ版を触ってみたが、現(5月23日)時点での印象としては、Firefox 4とあまり変わらない。悪いところもほぼそのままだ(笑)。PC版ではSNSとの連携強化、複数アカウント管理などの機能が追加されることになっているが、現時点ではAndroid版には搭載されていないようだ。  まだβ版なので、重いだの不安定だのと文句を言う段階ではなく、ましてや結論を出すにはまだまだ早すぎる。Firefoxの汚名返上なるか、現時点では少々厳しいが、底力を見せて欲しい。

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