「HTC J One HTL22」はアルミフルメタルボディに斬新なカメラ機能、タイムライン方式の新ホーム画面BlinkFeed、フロントに2つのアンプ内蔵スピーカーを搭載するなど、チャレンジングなHTC製ハイスペックスマートフォン。それでいてバランスもとれており、欠点のほとんどない端末に仕上がっている。
スタイリッシュなフルメタルボディ
最近はスマホのコモディティ(均質)化が指摘されているが、「HTC J One HTL22」は単純にハイスペックさを追求するのではなく、デザイン、カメラ、音楽、ホーム画面といった部分で既存の常識に囚われない先進的なスマホ体験を提供している。
アルミニウム製のメタルフレームを採用したボディは、背面が外側に向かってなだらかに薄くなっていくラウンドフォルムとなっており、手のひらに馴染んで持ちやすい設計だ。ディスプレイをシームレスにはめ込んでいるところなど、細部にもこだわりがみられる。 メタル素材の良さを生かしたデザインは洗練されていて、ひんやりした肌触り、ソリッド感も心地よい。アルミは電波を通しにくいが、独自のアンテナ技術でクリアな信号を受信できる。ただし、このメタルボディを追求したため、防水機能の搭載は見送られている。
カメラは画素数より画素の大きさで勝負
また、注目はカメラだ。メインカメラは約400万画素のCMOSで、画素数だけでみると物足りないように思えるかもしれない。しかしHTCでは、美しく撮影するには多くの光を取り込むことが重要であるという点に着目し、画素数よりも画素の大きさにこだわった独自センサー「HTC UltraPixel」を開発した。 これにより、一般的な1,300万画素のスマートフォンと比較した場合、一つの画素の面積が約3倍大きくなることで、約300%の光を取り込み、約50%のノイズ低減を実現。薄暗い場所でも、明るく自然な画質で撮影できる。なお上の写真は、夜の屋外で他機種との撮り比べをしたもので、その違いが一目でお分かりいただけるだろう。
カメラにはさらに「HTC Zoe」という新機能も搭載。同モードでは、シャッターを押す1秒前から4秒間の写真20枚と、シャッターを押してから3秒間のフルHD動画を1回のシャッターのみで同時に撮影する。後からベストな1コマを選ぶことができ、大事な瞬間を逃さないというわけだ。 Zoeモードならではの編集機能も用意されている。たとえば「スマイルレタッチ」では、集合写真で目をつぶってしまった人の顔画像を笑顔に差し替えたりできる。また、通行人などの邪魔なオブジェクトの削除、連続写真を動きのある1枚の写真に合成することなどが可能。 カメラ自体の性能も高く、高速起動をはじめ、自分撮りに強い広角レンズを搭載したインカメラ、1秒間に8枚、最大99枚までの撮影ができる連写機能などを備えている。
フロントスピーカーで迫力の音楽体験
ディスプレイは約4.7インチのフルHD(1920×1080)のSuper LCD3で、国内最高のピクセル密度468ppiの解像度。実際、非常にクリアかつ鮮明に見える。屋外などで光の反射を抑える光学ラミネーションや、横からでも見やすい広視野角も特徴だ。 そしてディスプレイ上下には、アンプ内蔵のステレオスピーカー「Boom Sound」を搭載。背面ではなく前面に配置されたことで、イヤホンなしでもダイナミックなサウンドを実現した。おなじみのBeatsAudioとも連動する。フロントにスピーカーがあると、こんなに迫力が増すのかというのが正直な感想。音楽だけでなく、ゲームのサウンドも一層楽しめそうだ。
タイムライン形式のホーム「BlinkFeed」
新ホームスクリーン「HTC BlinkFeed」では、FacebookやTwitterの更新情報や新着ニュース、写真・動画、カレンダーなどユーザーが頻繁にチェックする情報を集約し、タイル状のライブストリームとして表示する。もちろん、表示させるコンテンツはカスタマイズ可能。 ユーザーとの関連性が高い情報や関心の高いソースから最新のコンテンツをいち早く収集し、1カ所にまとめるタイムライン形式のため、いちいちアプリなど行き来する手間がなくなる。とはいえ、スクリーンを左右にスワイプすれば、一般的なホーム画面も利用できるようになっている。 BlinkFeedは現状、RSSフィードに対応していないものの、今後検討するという。また、コンテンツが自動更新となるためバッテリー消費が気になるところだが、一般的なホーム画面と差はないとしている。
その他の機能・スペック
CPUはQualcommのAPQ8064T+MDM9615 1.7GHz クアッドコア。RAMは2GB、内蔵ストレージは32GB。外部メモリは最大64GBのmicroSDXCカードに対応する。通信は下り最大100Mbpsの4G LTEが利用できる。 バッテリーは2,300mAh。OSはAndroid 4.1を搭載する。おサイフケータイ、NFC、ワンセグ、赤外線通信などに対応するが、防水・防塵、フルセグには非対応。 サイズは約138×69×10.5mm、重さは約157g。カラーはホワイトメタル、ブラックメタルの2色展開で、6月上旬の発売予定となる。