Googleは、Android OSの新バージョンとなる「Android 4.4(KitKat)」を発表した。音声操作やメモリ最適化、電話アプリ強化など、様々な新機能・改良が加わっているので、まとめて概観する。

メモリ最適化による高速マルチタスク

Android 4.4の注目ポイントの一つに、ChromeやYouTubeも含めてシステム全般のメモリ使用量を大きく低減したことが挙げられる。

これは、新興国では未だ主流のRAMが512MBのローエンド端末でも問題なく動作するよう、メモリの使用効率を高めた結果だとされる。もちろん従来の端末でも、マルチタスク時などでのパフォーマンスが大きく向上する。 Googleとしては、新興国におけるAndroidの普及を加速させつつ、KitKatがすべてのAndroidスマートフォンで動作することを目指すものとみられる。

音声操作がより便利に

画面にタッチすることなく、Google Glassのように“OK, Google”と話しかけるだけで、会話方式の検索サービス「Google Now」を起動できるようになった。 これにより音声操作で、検索やメッセージ送信、マップによるナビゲーション、音楽再生、写真表示などが行える。「Nexus 5」では、ホーム画面のどこからでも音声起動ができる。

新しいフルスクリーン

ステータスバーが半透明になったことに加え、ゲームプレイや読書時、動画再生時などには完全に隠れて全画面表示される。これにより、没入感(immersive)を高めているという。 なお、画面の端をスワイプすれば、ステータスバーやナビゲーションボタンが表示される。

電話アプリの強化

通話履歴(通話時間や頻度)により、これから電話をかけるであろう連絡先を上位表示するように並び替える。 また、知らない番号から電話がかかってきた場合には、Googleマップから登録されている番号を検索し、発信源を表示してくれる。

再生専用のロックスクリーン

音楽再生時やChromecastで映像を再生中に利用できる、専用ロックスクリーンが搭載された。 このロック画面では、背景にフルスクリーンでジャケットなどの画像が表示され、ロック解除することなく再生や一時停止、早送りなどが可能だという。

メッセージアプリの統合

ハングアウトにSMSやMMSのアプリを統合し、メッセージアプリが一元化された。 新機能として、現在地の共有やGIFアニメーションの送信なども行えるようになった。

その他の機能

上記以外の改善点、新機能の一部は下記のとおり。

標準のGoogle Keyboardで絵文字が追加。 Bluetooth MAPをサポートし、対応する自動車とメッセージ交換できる。 Chromecastをサポート。 HDR+に対応した写真撮影。 Quickofficeへの最適化。 歩数計機能を搭載。 ワイヤレス印刷をサポート。 赤外線リモコンアプリをサポート。 ホームアプリ切替操作の簡易化([設定]→[ホーム]) GPSおよびWi-Fi設定をしやすく。 オーディオ再生時の消費電力を軽減 タッチスクリーンの応答性を改善。

Android 4.4アップデートのリリーススケジュール

Android 4.4は、同日発売の「Nexus 5」にプリインストールされるほか、「Nexus 4」「Nezus 7」「Nexus 10」、および「GALAXY S4」「HTC One」のGoogle Play Editionに対し、数週間のうちにアップデートが開始される見込みだ。 ただし「Galaxy Nexus」に関しては、Googleやメーカーが通常行っている18カ月の端末アップデート期間の適用外となるため、Android 4.4のアップデートの対象にならないという。