甘い二枚目から連続殺人犯まで、幅広い役柄を演じてきたジョンソクが本作で挑むのは、借金だらけの三流弁護士。裁判での勝率がわずか10%のしがない落ちこぼれが巨大な陰謀に巻き込まれ、大物詐欺師の汚名を着せられたところからの大逆転劇を、スリリングかつ痛快に描いた犯罪サスペンスドラマです。 大きな事件を担当することになり、舞い上がったチャンホは高級ディナーにミホを招待しますが、何者かに麻薬を盛られ交通事故を起こしてしまいます。さらに、なぜか事務所から大金と大量の麻薬が発見され、チャンホは突如、犯罪界の大物“ビッグマウス”だと疑いをかけられてしまうのです。 誰が何の目的でチャンホに“ビッグマウス”の罪をなすりつけたのか、皆目見当もつかない中で、チャンホはミホを守るために自ら“ビッグマウス”に成りすますことを決意。殺人事件の容疑者3人や金にしか興味がない刑務所の所長、さらに市長にも隠然と権力を行使するメディア界の大物コン・ジフンなど、一癖ありそうな連中がひしめき合い、刑務所の中と外で熾烈な駆け引きを展開するのです。 物語は、本当の“ビッグマウス”は誰なのかという謎を中心に、チャンホとミホの夫婦の絆、市長とジフンの繋がりや大学病院の殺人事件の行方などが絡み合って複層的に進んでいきます。 刑務所の中も外も怪しく見える連中ばかりで、誰が本当の“ビッグマウス”なのか、そして、果たしていかなる目的でチャンホを嵌めたのかなど、多くの謎が気になる形で展開していき、思わず見入ってしまう展開の連続です。 そして、チャンホをはじめとするキャラクターたちも、はっきりした個性を持っていて魅力的。チャンホは情けない第一話から、“ビッグマウス”になると決意を決めてからみるみるうちに成長していき、大物犯罪者の風格を身に着けていきます。また、妻のミホもチャンホを救うために自ら渦中の大学病院に転勤して、単身謎を探るなど行動的なところを見せつけてくれます。 どす黒い陰謀と権力欲や金儲けに企む連中が暗躍する物語ですが、その中にあってチャンホとミホの夫婦の絆は一服の清涼剤のようで、権謀術数渦巻くなかを愛の力で乗り切る2人が頼もしく描かれているのが好印象を与えてくれるのです。 ミホを演じるのは少女時代のイム・ユナ。近年は女優として目覚ましい活躍を遂げている彼女が意思の強いヒロインを熱演しており、こちらもイ・ジョンソクと合わせて注目すべきポイントです。 作中の“ビッグマウス”に成りすますという意味と、大言壮語を吐き、この局面を打開してやるぞという強い意思。その2つが「ビッグマウス」という単語に込められているのではないでしょうか。 チャンホをめぐって、悪い連中が策略を張り巡らせていく中、ぐんぐんと成長していき貫禄を身に着けていくチャンホの姿は、理不尽に苦しむ人々にとって英雄そのもの。 最初は嘘でも、その結果として身に着けたカリスマはやがて本物となっていきます。そんな1人の人間の痛快な成長劇としても秀逸で、見どころ盛りだくさんの作品なのです。 そんな彼がある殺人事件を引き受け、事件の真相にたどり着くと、身辺に奇妙なことが起こり始める。突然の車事故、薬物検査陽性反応、事務所の壁や天井から見つかった巨額の札束、麻薬、拳銃の数々。 それはすべて、チャンホが闇の世界を支配する天才詐欺師“ビッグマウス”であることを示す証拠だ。チャンホはやがて逮捕され、極悪非道な重罪人が収監される刑務所に送られる。 刻一刻と死の影が忍び寄る地獄のような刑務所内で、チャンホが生き残る方法はただ一つ。 本物の“ビッグマウス”になりきること。 チャンホは命の危機にさらされながら、愛する夫のために濡れ衣を晴らそうと奮闘する妻ミホと共に、本当のビッグマウスの正体に迫り、その裏に隠された金と権力にまみれた特権層の素顔を暴いていく… © 2022 Disney and related entities.