今回は、価格帯の近いZenFone 5や上位機のiPhone Xと比較しながら、Moto G6 Plusをレビューしていきます。 【2018年後半】SIMフリースマホ おすすめベスト5機種、すべて詳細レビュー付き
付属品は充実しているものの色が少し残念
Moto G6 Plusの箱を開けると、多くの付属品が目に入ります。最近は充電器やケーブルが付属しない高級モデルが増えているので、とりあえず必要なものがすべて付いているのは嬉しいポイントです。 ただし、ちょっと残念なのがイヤホンの色です。充電器とケーブルが黒で、本体がディープインディゴと呼ばれる濃い青なのですから、イヤホンもそれらと合わせて黒にしてほしいところです。イヤホン自体もあまり高級感のない作りなので、白だと余計にチープに感じてしまいます。
付属品と本体
充電器とケーブルは黒で、イヤホンは白だ
本体の質感はよいがデザインに華がない
Moto G6 Plusの本体はかなり大きく感じます。ディスプレイは5.93インチの液晶なので確かに大画面モデルですが、それ以上に大きく感じるのは上下の縁(フチ)がある構成だからです。最近はギリギリまで額縁を削ったモデルが増えてきています。それらと比べるとディスプレイサイズの割に本体が大きく、またデザインにも華がありません。 サイズをZenFone 5と比べると、かなり縦に長いことがわかります。写真を比べても大きさの差は一目瞭然です。サイズ以上に違いを感じるのは斬新さです。並べて比べるとMoto G6 Plusは、少し古めかしく感じるでしょう。 背面はガラスを採用しており、美しく光を反射します。格安モデルの背面は樹脂がほとんどなので、この点はさすがです。ただしZenFone 5もガラスなので、このクラスとしては当たり前ともいえます。
背面はガラス製で光が美しく反射する
左のZenFone 5と比較するとずいぶん縦に長い
ディスプレイは十分な美しさで性能もまずまず
Moto G6 Plusのディスプレイは5.93インチで、2160×1080ドットのワイドタイプです。十分に緻密で明るさも文句なしです。ZenFone 5と並べて比べるとやや明るさで負けていますが、実用上さほど差はありません。また、有機ELのiPhone Xとくらべると明るさと鮮やかさに大きな差がありますが、これは価格帯が違うので致し方のないところです。 CPUはSnapdragon 630で、メモリは4GBとなっています。ベンチマークのスコアも中級モデルらしい値です。ZenFone 5は12万台なので少し劣っていますが、普通に使って差を感じることはないでしょう。これから2年間は問題なく使えるはずです。ただし、ヘビーなゲームをプレイする機会が多いなら、もう少し性能の高いモデルを選んだほうがよさそうです。
左からZenFone5、Moto G6 Plus、iPhone X。iPhone Xはずば抜けて明るい
斜めから見てもiPhone Xの明るさが際立つ
AnTuTuベンチマークのスコアは、ミドルレンジらしい値だ
急速充電器が付属するのは魅力
付属の充電器は、5V/3Aの充電が可能な急速充電に対応します。標準で付属するのは大きなメリットです。この充電器を接続すると画面に「TurboPower」と表示され、急速充電中であることがわかります。 試しに、手元にあったPowerDelivery、QuickCharge対応の急速充電器を接続してみたところ、同じ表示になりました。ただし充電のパフォーマンスは、QuickCharge 3.0対応の充電器がACアダプターとほぼ同様になりました。市販のモバイルバッテリーや充電器を利用するなら、QuickCharge 3.0のタイプをおすすめします。ただしメーカーの推奨外の使い方になるため、自己責任で利用してください。 スマホの「急速充電」とは、対応充電器・ケーブル等の選び方とおすすめ製品
付属のACアダプターは独自の急速充電に対応する
急速充電は15Wだ SIMカードのトレイは、nanoSIMを2枚に加え、microSDカードがセットできるようになっています。この構成が理想的ですが、あまり採用しているモデルはありません。また、2枚のSIMはDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応しています。本体のストレージは64GBと中級クラスらしい容量で、microSDカードを使えば128GBまで増設できます。 上位モデルは、イヤホンジャックを廃止してUSB-C端子接続で利用する製品が増えてきています。Moto G6 Plusはイヤホンジャックを搭載し、手元のイヤホン、ヘッドフォンが利用可能です。なお、対応する通信方式は次のようになっています。また、Wi-Fiはacにも対応しています。
2G: 850MHz / 900MHz / 1800MHz / 1900MHz 3G: B1 / B2 / B5 / B8 / B19(B6含む) 4G: B1 / B2 / B3 / B5 / B7 / B8 / B18 / B19 / B26 / B28 / B38 / B40 / B41
SIMトレイは2枚のnanoSIMとmicroSDカードを装着できる
イヤホンが使えるのも便利だ
デュアルカメラは明るさ重視
背面のカメラは、1200万画素と500万画素のデュアルです。低光量時に強みを発揮する構成で、ズームやワイド撮影などには利用できません。実際にiPhone Xと撮り比べてみましたが、通常の撮影では十分に合格と言えるクオリティでした。Moto G6 Plusのカメラで不満を感じる人はさほど多くないはずです。 ただし上述のように、光学ズームなどは利用できないのが残念です。代わりというわけではありませんが、画面の一部の色を残して他をモノクロにする「スポットカラー」など、楽しい撮影機能を搭載しています。また、インカメラは1600万画素です。
標準的な撮影
Moto G6 Plusで撮影
iPhone Xで撮影 どちらも美しく撮れています。ただし、両者ともに背景の空が白く飛んでしまったのは残念です。
近接撮影
左:Moto G6 Plusで撮影右:iPhone Xで撮影 花をアップで撮影しました。どちらもくっきりと美しく撮れています。
逆光での撮影
左:Moto G6 Plusで撮影右:iPhone Xで撮影 明るい空を背景に、逆光気味で木を撮影しました。iPhoneのほうが色合いは美しく撮れています。また、Moto G6 Plusでは周辺部がぼやけています。
暗所での撮影
左:Moto G6 Plusで撮影右:iPhone Xで撮影 かなり暗い部屋で撮影。どちらも美しいが拡大するとiPhone Xのほうがざらつきは少ない印象です。
スポットカラー
Moto G6 Plusのカメラは様々な撮影機能を搭載しています。たとえば、「スポットカラー」はタップした箇所の色を残して他をモノクロにすることができます。
このような楽しい写真が撮れる
独自の操作カスタム機能「Motoアクション」が便利
画面をタッチせず、いろいろな操作方法でスマホを利用できる「Motoアクション」も便利です。 「3本指の長押しでスクリーンショットを撮影」「手首を素早く2回ひねるとカメラを起動」「2回振り下ろすとフラッシュライトを点灯」など、多くのアクション系のショートカットが搭載されています。どれも非常に実用的で、使い慣れるとすばやく利用できて重宝します。その上で使わない機能はオフにもできるため、誤動作などの心配はいりません。
独自のアクション系機能が満載だ
見ている間は画面を常時オンにしたり、夜間はトーンを変える機能も
まとめ
2〜3万円のスマホを買うなら、もう1万円ほど出してMoto G6 Plusを選ぶのもよい選択でしょう。性能が高いので、2年ほど使っても辛くなりにくいはずです。また、ガラス製の本体は高級モデルに近い仕上げで、カメラはなかなか美しく撮れます。 ZenFone 5と比べるとやや分がよくありませんが、5000〜8000円ほどMoto G6 Plusのほうが安く買えます。そう考えると、よいライバルと言えるでしょう。ちょっと残念なのは、本体カラーが濃紺の1色しかないことです。デザインを含めて、かなり男性っぽく、またサイズも大ぶりな点でユーザーを選びそうです。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部