iOS 14では、さまざまな注目の新機能が追加されました。その中でもユーザーの話題となっているのが「背面タップ」です。背面タップはアクセシビリティの一環で、読んで字の如くiPhoneの背面をタップして使います。とはいえ、具体的にどんなことに使えるのかピンとこないという人も少なくないでしょう。 本記事では、背面タップの設定方法と便利な使い方を紹介します。

iPhoneで「背面タップ」の動作を設定する方法

背面タップは「設定」アプリから動作の設定をおこないます。初期状態ではオフ(動作なし)になっているので、背面タップを使ってみたい人は以下の通りに設定してください。

「設定」アプリの[アクセシビリティ]を開き、[タッチ]を選択します。続いて「タッチ」の設定項目の一番下にある[背面タップ]をタップしてください。

背面タップは「ダブルタップ(2回タップ)」と「トリプルタップ(3回タップ)」の2つを設定可能です。動作を設定したいほうを選択し、好みの動作にチェックマークを付ければ設定完了です。 iPhoneの操作をカスタマイズできる、AssistiveTouch「カスタムアクション」の使い方とおすすめ設定

「背面タップ」の使い方

では実際に「背面タップ」を使ってiPhoneに特定の動作をさせてみましょう。今回はダブルタップに「ホーム(ホーム画面に戻る)」を指定して検証してみます。

iPhoneの背中を2回タップしただけで、ブラウザの画面からホーム画面に切り替わりました。

iPhoneの背面をタップするときは、しっかりと指で叩くようにトントンとタップしてください。タップがソフトすぎると、タップとして認識されない場合があります。 また、叩く速さはより早いほうが確実に認識されます。タップとタップの間が長いとダブルタップとして認識されません。逆に、かなり狭い間隔でタップした場合は認識されないケースがほとんどありませんでした。 トリプルタップの場合も同様で、狭い間隔のタップのほうが高い認識精度となりました。これはユーザーがiPhoneを手で持っているときに、タップの誤認識が発生するのを防ぐためであろうと推察されます。

「背面タップ」の便利な使い方4選

ここでは背面タップの便利な使い方を4つ紹介します。背面タップを使いこなせれば、両手を使う必要のある動作やとっさにできない動作も素早く直感的におこなうことができます。 背面タップはiPhoneカバーを付けた状態でも認識されます。筆者の手元にあるシリコン製のカバー(薄いタイプとやや厚いタイプの2種類)で検証してみましたが、いずれも問題なく反応してくれました。 とはいえ、あまりに分厚いカバーとなると動作の保証はありません。背面タップを使う際は分厚いカバーは外しておいたほうが無難でしょう。 またショートカットとの連携も可能なので、ショートカットの組み方次第では、iPhoneの背面をタップするだけであらゆる動作ができるようになるかもしれません。

1. 背面タップで「スクリーンショット」を撮影

iPhoneでは機種の違いに関わらず、スクリーンショットを撮影するときには2つのボタンを押す必要があります。片手での操作も不可能ではありませんが、ほとんどの人はiPhoneを持ち替えるなどして両手を使って撮影をしていることでしょう。

背面タップに「スクリーンショット」を割り当てれば、片手でスクリーンショットの撮影が可能になります。iPhoneを持ち替える必要がないので、とっさのタイミングでもこれまでより素早くスクリーンショットの撮影ができるようになります。 iPhoneでスクリーンショットを撮る方法まとめ──無音撮影、縦長にページ全体が撮れるアプリ、スクショできない時の対処法まで

2. 背面タップで音量を調整する

背面タップの設定項目には「音量を下げる」と「音量を上げる」の2つが用意されています。これをダブルタップとトリプルタップのそれぞれに割り当てれば、タップだけで音量の調整が可能になります。

背面タップだけで音量を調節できる 音量の調整幅は本体横のボタンを押したときと同じです。音量ボタンを探す必要がないので、ポケットの中でも直感的に音量の調整ができるようになります。 iPhoneで音量を調整する3つの基本テクニック ボリュームを固定・記憶させる小技アリ

3.【ショートカット】背面タップで新しいツイートを作成

背面タップには「ショートカット」アプリとの連動機能があります。ショートカットを「マイショートカット」に登録すると、「設定」アプリ内から背面タップの動作に指定できるようになります。 「ショートカット」アプリの使い方は下記記事を参照してください。 iPhoneの操作を自動化する「ショートカット」アプリの使い方 基本ガイド

背面タップだけでツイート作成画面を表示 背面タップの動作一覧の下部から、「マイショートカット」のショートカットが選択可能です。ここでは「新しいツイート」というショートカットを選択します。

「新しいツイート」を割り当てた状態で背面タップをおこなうと、指での操作を何もしなくても自動的にツイート作成画面まで表示されました。ショートカットボタンを押す必要さえないので、iPhoneで最も早くツイート画面にたどり着ける方法でしょう。

4.【ショートカット】背面タップで特定のアプリを開く

「ショートカット」アプリで特定のアプリを開くショートカットを作成しておけば、背面タップで指定したアプリが起動できるようになります。iPhoneにインストールされているアプリならば何でも指定可能なので、SNSやブラウザなど普段よく開くアプリを登録しておくと便利です。

LINEを超速起動 今回は「ショートカット」アプリでLINEを開くショートカットを作成し、背面タップだけでLINEを開けるように設定してみました。

ホーム画面やAppライブラリで目当てのアプリを探す手間が省けるので、使用頻度の高いアプリほど時短効果が大きくなります。 【iOS 14】「Appライブラリ」の使い方──アプリをジャンル別にスッキリ整頓

「背面タップ」対応機種

背面タップの対応機種は以下のとおりです。

ショートカット作成画面で[アクションを追加]をタップし、続いて現れたメニューで[スクリプティング]を選択します。

「スクリプティング」メニューから[Appを開く]を選択します。すると、ショートカット作成画面にアプリを開くアクションが追加されるので、[選択]をタップしてください。

iPhoneにインストールされているアプリの一覧から、ショートカットで開きたいアプリを選択して[次へ]をタップ。最後にショートカットの名前を入力して[完了]でショートカットの作成は完了です。

iPhone 8 iPhone 8 Plus iPhone X iPhone XS iPhone XS Max iPhone XR iPhone 11 iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max iPhone SE(第2世代)

iPhone SE(第2世代)についてはApple公式ページに記載がありませんが、複数のユーザーが背面タップに対応していることを報告しています(筆者は実機で未確認)。

Image:Apple iPhone 7以前のiPhoneでは背面タップを利用できないようです。